こんにちは太田空です。
今日は、ハーフマラソンのぶっつけ本番についてお送りします。
ランニング初心者がいきなりハーフマラソンを走ったら・・・
そりゃ、結構つらいですよ~
で、実際にどのくらいキツイのか、知りたくないですか?
呼吸が苦しくなるとか、足が痛くなる等…
そこで今回は、初心者が練習無しでハーフマラソンを走るとどうなるか?についてまとめてみました。
ぼくの友達のマラソンデビュー顛末記です。
初心者のハーフマラソンのエントリー
僕の友達で佐藤君ってヤツがいます。
そいつは決して運動嫌いではなく、休みの日はソフトボールをやったり、子供の運動会にも積極的に参加する人。
そこで僕は、かねてより彼をマラソンに誘っていました。
「マラソンは慣れちゃえばそんなに苦しくないし、ダイエットにもなるぞ~」って。
もちろん、最初のうちは渋っていました。
「そんなの絶対無理だって、死ぬわ」と。
でも、 会社の同僚や近所の仲間にもマラソンをやる人が意外と多く「 走らないやつは、遅れてる」みたいな考えになり、ハーフマラソンにエントリーします。
エントリーしたのは、米軍基地(横田基地)内で開催される「横田フロストバイト」というハーフマラソン。
※東京都福生市の米軍基地
そして次の日から、 トレーニングを開始するかと思いきや…「まだ、しばらく先だからいいよ~」「のんびり気楽に走るからさ~」なんて言って、エンジンがかからない。
僕も、誘った以上何かアドバイスをしてやりたいな~と思ってましたが…次第に「ハーフマラソンだからってナメんじゃねー」という気持ちになります。
で結局、佐藤君は練習なしのまま大会当日を迎えます。
いざ!ぶっつけ本番
さて、本番当日、僕らはチャリンコに乗って横田基地に向かいました。
「天気晴れててよかったね~」とか「こんなに大勢の人が来るんだ!」なんて話ながら。
会場に入ると、受付や場所取りを済ませます。
スタートの時刻を前にして、緊張する佐藤君。
今更ながらにして「走りきれるかな~」「棄権する人ってどのくらいいるのかな?」なんて言う始末。
アホかと思いました。
僕は「スピードなんか気にしないで、ゆっくり走っていれば誰でもゴールできるよ」と 、軽々しい慰め言葉をかけます。
そして予定時刻が迫り、上着を脱いでスタート地点に並ぶ。
僕らは後ろの方に並んでいたので、号砲の音は聞こえない。
でも、人のが流れ出したので、スタートが切られたことを知ります。
ランナーの塊がゆっくりと前に進む。
そこで、佐藤君は言いました…「意外とみんなゆっくりなんだね、よかった」と。
(本当は、フン詰まりになってるので前に進めないだけ)
ところが、一番最初の給水地点に着く頃には…疲労で姿勢が崩れ、「ゼーゼー」と声を出して息を切らしてる。
苦しそう…そして「こりゃムリだ」って感じ。
でも、これは彼だけではなく、周りにもチラホラと同じような人が見受けられます。
練習不足の初心者が完走?
僕は、佐藤君と一緒に水を飲んだ後「じゃあ俺、先に行ってるから」と、別れを告げました。
別れたって言うか、見捨てたつもりです。
あとは自分のペースでハーフマラソンを楽しみ、1時間50分でゴールします。
ゴール地点でバナナを食って、完走証をもらい、自分の荷物置き場まで向かう…
僕はこの時、佐藤君がすでに着替えて待ってるんじゃないか?と思っていました。
つまり、リタイアして先に戻ってるということ。
だけど、そこに佐藤君の姿は無し。
帰った形跡もないし…
「これはもしかして、どこかで行き倒れたのか?」なんて心配しながら、 ウィンドブレーカーを着て、ゴール地点に戻ります。
しかし、時間は刻々と流れ制限時間終了。
すると、ますます心配になる。
「どこ行っちゃったんだ、佐藤君!」
制限時間が終わってもゲートは開いているので、ぼちぼちランナーさん達がゴールします。
でも、よく見るとゴールゲートの向こ~うの方に、ゾンビみたいになった佐藤君の姿があった。
まさか、ここまで頑張るとは!
僕は、あらん限りの大声を上げて「おーい、佐藤くーん!」と叫びます。
そして、心の底から「頑張れ」と思っちゃいました。
やがて、フラフラになった佐藤君が、倒れこむようにしてゴール。
僕は、急いで彼のところに行き、 肩を貸します。
荷物置き場に向かう途中「水飲むか?」とか「バナナ食べる?」なんて聞いても、声すら出ない状態。
疲労困憊というより、死ぬ寸前って感じ。
地獄の苦しみ
それからしばらく休んだ後、帰り支度をし、僕は佐藤君の奥さんに電話をかけます。
「 佐藤君ヘロヘロになっちゃって、もう動けません。奥さん、今迎えに来れますか?」
僕らは、ゆっくり歩いて奥さんとの待ち合わせの場所に向かいます。
その途中、佐藤君は2回ゲロを吐きました。
頭は痛いし、足はガクガク。
翌日、僕は佐藤くんの様子が気になって電話してみます。
たぶん会社を休んで、家にいるんじゃないかな~と思って。
そしたら…やっぱり、仕事を休んだ様子。
彼の話によれば全身がバラバラになるくらい痛み、 立ち上がると生まれたばかりの子鹿のように足が震えるとのこと。
でもまあ、救急車で運ばれたり、心肺停止になるよりは全然マシ。
それは大げさな例え話ではなく、地元マラソンのサポート医師も「こんな危険な事やらせるんじゃねーよ」とぼやく程。
ハーフマラソンはフルマラソンに比べて、格段に体への負担は少ないんですが…練習不足の人がいきなり参加すると、かなり危ないんじゃないかな ~と思います。